発端

3/8
前へ
/119ページ
次へ
    ぐるりと視界を変え後方に目を移すと、部屋の証明を調節するらしいパネル   その横にはこの部屋の物であろう、設置された一つの固定式の電話   電話には手作りらしいラベルがでかでかと貼付けてあった。       『フロントは#9でお呼び下さい』       この辺りで脳みそはジワジワと覚醒し始める。   自分がいるはずのない場所にいるんだと実感がわいた。   よく見たら、シーツから出てる自身の身体が半裸なのだと今更ながらに気付く。   シーツに隠れていて判らなかったが(なんせ今脳が稼動しだしたものだから)、どうやら下も履いていないらしい。     所謂……、全裸状態。     それに気付くと同時に、自分の太股辺りでモゾモゾとシーツの塊が動いた。   ビクッ! と反応すると共に、緊張が身体を駆け巡る。     「うぅ……ん……」     声からして女性のものらしい。   だが、声だけじゃ誰なのか特定出来る筈もない。    
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

822人が本棚に入れています
本棚に追加