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普段から雅治は、毎晩のようにおきる振動を知っていた。  だが今日のそれは、日課となっていた振動とどこか違っていた。 ぐちゃり・・・・・・ぐっちゃり。  寝ている雅治の横で、何かが肉を殴りつけているかのような音と、地響きが六畳一間の部屋を支配した。 肉を平たい鈍器で叩きつけているような鈍い音と、横で寝ている雅治の布団から伝わる不愉快な振動が、彼の小さな瞼を静かに開かせた。
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