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城内から出てきたのは顎に髭を蓄えた男──フランス王国元帥ジル・ド・レと、その従者4人であった。
「30人……といったところか。」
ジル・ド・レは眼前の騎馬隊を眺めながらそう呟いた。
「ウスターシュ。」
暫時の後、ジルは従者の司祭の名を呼ばわった。
「神に仕える身であるお前を最後まで神に背かせ続けた事、本当に申し訳なく思っているぞ。」
ジルは司祭ウスターシュ・ブランシュにそう詫びた。
「御主人様。どうか謝られないで下さい。最終的に神に背く道を選んだのはこの私なのですから。」
禿頭の司祭は詫びる主人にそう言った。
「此方には200人の親衛隊がおります。奴等など恐るるに足りません。今からでも遅くはない筈、徹底抗戦しましょうぞ!」
徹底抗戦を主張するウスターシュの手にはモーニングスターが握られている。
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