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その言葉に然程反応を見せずに、彼の手を振り払い、ジルは騎馬隊の所に向かって歩いていった。ウスターシュがその後に続き、次いでポワトー、アンリエがその後に続いた。プレラーティは振り払われた手に目を遣り暫し呆然としていたが、4人が騎馬隊の所に向かっているのに気付くと再び裏門の方へ目を遣った。しかし、城内の兵士達が城門までやってきていた。200人の鋭き眼光に射抜かれた青年は、急いで4人の後を追った。
「やっと出て来おったか。ジル・ド・レ。」
ジャン・ラベはそう言うと、部下にジル・ド・レ一行を取り囲むように命じた。ラベの部下は、各々剣、槍、斧等を構えつつジル達一行を取り囲んだ。
「ジャン・ラベよ。私は貴殿達に従い裁判を受けよう。」
そう言うと、ジルは腰に提げていた武器を差出し、服従の意志を表明した。
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