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「公証人よ。私を捕えて、ジャン・ド・マレストロワはさぞや気分が良いだろうな。」
ジルは公証人を睨み付けて言った。公証人はその眼光に堪えられず隊長の影に隠れた。
「これよりジル・ド・レ一味を護送する。ジル・ド・レ男爵に馬と従僕を用意しろ。」
彼の命令の下、部下達は護送の準備に取り掛かった。
(大丈夫だ……………。私は大罪を犯した訳ではない。重刑に問われる事はないだろう。)
ラベの部下から宛行われた馬に跨ったジルは心中でそう呟き、天を仰いだ。
マシュクールの空は、この物々しい状況に似付かわしくない程に蒼く透き通っていた。
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