秋の蛍

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何故こんな駅で降りたのか、その理由は僕自身にすらわからなかったけれど、僕はそんなことは気にもならなかった。 バスの時刻表を見ると、次のバスまでまだ三十分以上時間があった。 僕はベンチに腰を下ろし、ボストンバッグから本を一冊取り出して、それを読んだ。 少し喉が渇いていたけれど、どうしようもないので我慢することにした。 やがてバスがやってきた。 乗客は僕以外にはいなかった。 僕は一番後ろのシートに腰を下ろした。
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