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―――――――…
「へぇー、中ってこんな広いんだ」
「入ったことなかったっけ?」
「んー…あるにはあるらしいけど……記憶ないッ」
「…あそう」
桔梗くんと別れたあと空くんに連れられてやって来たのは、学園中の"知"が集まる研究棟。
どうやら用事とやらはここにいる人物に関係することらしい。
「にしても…助かったよ。……おいらはね?開けちゃえばいいのにってずっと言ってんのに、夕くんってば慎重すぎんだよねー…」
「夕くん…?」
「うん」
誰だよ、夕くんって。
「あ、ここ、ここ~」
そんな疑問を聞く隙もなく、私達は目的地に着いたらしい。
――コンコン
「夕くーん、入るよー?」
『はーい、どうぞー?』
――ガチャ
「失礼しまーす」
「…しまーす……って汚ッ!」
空くんのあとについて一つの研究室に入ると、そこには本の山、山、山。
中に何人か埋まってんじゃね?ってくらいの山。
「ちょ、初めて会ってそれはないでしょ?」
「あ……ごめんなさい」
一番奥の本の山からひょこっと顔出した一人の男の人。
多分あの人が夕くんなんだろうな。
。
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