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「……え?てかさ、永山さん何でわかるの?」
「…ん?」
「箱の中身の…モノ?の思ってること」
「あぁ。私の能力"透視"は思考そのものも見ることが出来るの」
「思考を……見る?」
ふふふ、不思議がってる。
「例えばー…いま夕陽くんが『お腹減ったなぁ』って考えてたら、私には頭の上の所に食べ物の映像が見えるの」
「じゃあ…俺の今考えてることって……」
「んー…。なんか黒いものがドロドロ渦巻いてるから……やっぱ怖いんでしょ、この箱が」
「……なるほどね」
ものすごい失笑しながら納得してくれた。
てか…ほんと真っ黒だな。そんなに怖いかな…?
「しかし『開けれるモンなら開けてみな』って……俺相当ナメられてる?」
「うん。このこ、夕陽くんを必死に蹴っ飛ばしてるよ」
「えぇ?!まじぃ?!!」
「まじまじっ」
「……え、生き物…だよね?」
「うん。動物」
「え…」
「ん?」
「俺……動物…苦手」
夕陽くんの言った言葉が聞こえたのか、箱の中のこはゲラゲラと笑い始めた。
「うわー…すっごい笑われてるよ」
「まじかよー…」
「ねぇ、早く開けてよッ!私このこ触りたい!!」
「……わかったよ」
そう言うと、夕陽くんは箱に手を伸ばした。
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