77人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
――バチッ!!
「「え?」」
夕陽くんが箱に手を触れた瞬間、赤い火花が飛び散った。
「え…俺なんもしてねぇけど」
「……なんか防御のまじないとかかけられてんのかな?」
相変わらず、中のこは笑っている。
私達を馬鹿にするような笑い方で。
「こいつ……あ、わかった」
「へ?」
「このこが邪魔してんだよ!多分使い魔かなんかなんだよ、このこ!!」
「……ふーん。だから『開けれるモンなら開けてみな』なのかもね」
夕陽くんはしばらく考えたあと、箱から数センチ離れた所に両手を近づけた。
まるで占い師が水晶玉に手を翳すように。
「なにするの?」
「ふふ、まぁ見ててよ」
――パァア
夕陽くんの両手が赤い光に包まれる。
――カタカタ、カタカタ
箱が小さな音を立てて揺れはじめた。
「相手が生き物なら……まあ確実にいけるね」
さらに赤みを増した光。それに合わせるように箱の動きも大きくなる。
中のこは箱の中全体を暴れまわっている。
……大丈夫かなぁ。
そうしているうちに、中のこは箱のふた向けて手を伸ばした。
――ガタッ、バキッ!!!!
。
最初のコメントを投稿しよう!