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「一週間くらい前かな?教授に使い魔をつくれって頼まれたの」
「使い魔?」
「うん。おいらそんな能力を持った生き物つくれないって言ったんだけど、それはなんとかするから大丈夫とか言われて……だから頼まれた分、全部で六体の動物の人形つくったの」
「そのうちの一つが ……そいつなのか」
すっかりおとなしくなった小リスは、夕陽くんのその言葉に頷いた。
「おいらは教授に六体を預けて、そこからは何も知らねぇんだけど……」
『そっからは俺が説明してやるよ』
空くんの手の平からピョンと机に飛び降りた小リスは話を続けた。
……言葉遣い悪いけど、普通に可愛いなぁ。
『他の奴らは知らねぇけど、俺の意識がはっきりしてきたのは、何か実験室で変な光を浴びた時だった。急に自我っつーの?自分の意思が芽生え始めたんだ。……まあそん時はまだ動くことは出来なかったけど』
「じゃあどうして今動いてるの?」
『……多分あいつらの思った通りに実験が成功しなかったんだろうな。俺達は六体は捨てられて別の二人の人間に拾われたんだ』
「え…捨てられた…?そんなことおいら聞いてない」
悲しそうな顔をした空くんに向かって、まあそんな顔すんなよ。と小リスは軽く笑った。
……空くんが一生懸命につくったものを捨てるなんて…そいつらどんな神経してんの…?
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