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『俺も意識があったからな、そりゃ捨てられた時はくやしかったさ。マスターが心を込めてつくってくれた俺達を……あいつら笑いながら「やっぱり駄目か」って簡単に捨てやがったんだからな…』
「…………」
『でもさっきも言った通り、そのおかげで二人に出会って、動けるようになったんだからよしとするけどなッ』
小リスは気にしていない、といった風にそう言ったけど……ちょっと無理してんじゃないかなって私は思った。
「……人形を動かす…しかも意思を持ったまま……あんまり聞かない能力だね」
「そん人達はどんな人だったの?」
『んー…よくわかんねぇけど、あいつらも俺達が動き出したのは予想外ぽかったぞ?』
「え、そうなんだ」
「俺達ってことは君以外の子達も動けるようになったってこと?!」
『そうだよ。六体全員、動けるようになった。……でもあいつら酷いだぜ?俺達をあんなちっせぇ箱に閉じ込めて、こんなへたれのとこに送り込んだんだからな』
「ちょ、何で俺がへたれになるんだよ?!」
『箱を動かしたくらいでわーわー喚いてたんだから、十分へたれじゃねぇか』
「あ、あれは……ッ」
『ククッ、ほらな?何も言い返せねぇじゃねぇか』
小リスに完全に言い負かされてる夕陽くん。
……可哀相に。
。
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