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「桔梗くんのペット?」
「人語を扱うペットがいてたまるか」
「えー、ここにいるよ?」
そう言って私は、ネコとともに空くんの胸に再び飛び込んだレッドとブルーを指差した。
『お前ぇ!ちょっとくっつきすぎだろ!!』
『うぅ~…ボクのて、おさないでよぉ』
『もーっ、あんたたち邪魔よっ!!どきなさい!!』
「まじかよ……」
明らかに驚きの色を隠せない桔梗くん。
「ちょっと待ってよ。使い魔はペットじゃないって!」
でも、夕陽くんにそう突っ込まれて、また表情を変える。
「お前、騙したな?」
「ち、違うよっ。…似たようなもんじゃんか」
「使い魔は主人と意思疎通するために人語を扱えるのは、基本だろうが!一緒じゃねぇよ」
「もう…桔梗くん厳しい」
それに顔がめちゃくちゃ怖い。
でも言ったらレッドみたいに逆襲されそうだから、死んでも口に出せない。
「…百合?汗かいてるよ?暑いの?」
「いや、全然っ!!……それよりさぁ…」
空くんの手の中でぎゅうぎゅう詰めになっている三匹を一目見て話を続ける。
「そのネコも…空くん作?」
「え?成瀬さんが?」
「うん、そうだよ。桔梗くん、こいつはどこにいたの?」
「さっき成瀬さん達と別れた後、自室に戻ったら玄関前に箱が置かれてて…」
『レディーを玄関前に置き去りだなんて…ほんと酷すぎるわ!!』
『暴れんじゃねぇ!』
どうやらこのこも意味も分からず桔梗くんの所に送られてきたってことみたい。
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