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「空くんがへばってるとこ、初めて見た」
「そうなんだ」
二人と二匹がいなくなったあと、夕陽くんの研究室に取り残された私。
『にしても……なんだったんだろうな、一体』
『なんでもいいじゃない。……これからどうするの?女の子?』
妙に不思議な雰囲気を出しているホワイトが私の肩の上に乗ってきた。
「すげぇ、私にも動物来ちゃったよ」
『ふふ、そんなに不思議なことでもないわよ?私は貴方をイメージして作られたんだから』
「「え?」」
ホワイトの言ったことがわからなくて、夕陽くんと二人きょとんとなる。
『きっとマスターは使い魔をつくれって言われた時に、一応どんな人に使われるか想像して作ってたみたいね』
『…あぁ、そういうことか。じゃあ俺の頭の片隅にいたアイツはお前だったってことか』
「じゃあレッドは空くんが俺をイメージして作られたってこと?」
『多分そういうこと。イメージ像があった方が作りやすいだろうしね』
「……ブルーとパープルも?」
『えぇ。ついでに言うならあとの二匹も同じようなことでしょうね』
なんとなく謎が解けてきたところで夕陽くんを見ると、なんだか顔がにやけていた。
「夕陽くん。せっかくのイケメンが台無しになってるよ?」
「えぇえ?!それどういう意味?」
『すこぶる気持ち悪い顔してるってことだ』
「お前さっきからほんとひどいよ」
嘆く夕陽くんとそれを見てゲラゲラ笑うレッド。
ほんと面白いな、このコンビ。
『ところで、そんなに嬉しそうな顔をしてるってことは……なにか良いことでもあったの?』
「……うん。だってさ、空くんが俺達のことを想像してレッド達を作ってくれて、しかもその子達が結果的に俺達のところにやってきた。……こんな嬉しいことってねぇよ」
『お前……』
『ふふ、よかったわね』
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