77人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
―――――――――…
―――――――…
「いやぁ、でも楽しかったね」
『そう?ならよかったわ』
とりあえず用事も終わり、夕陽くんの研究室をあとにした。
また遊びにおいでっていわれちゃった。いい人だなあ、夕陽くん。
……へたれだけど。
最後に空くんのとこに寄って行こうかとも思ったけど、なんかすごいしんどそうな顔してたし……また今度でいっか。
『ところで、私はまだあなたの名前を聞いてないんだけど?』
「あ、そっか。私は永山百合」
『よろしくね、百合』
「うんっ!!」
帰ったら母さんになんて紹介しようかなとか思いながら、やっと学園の門の前までやってきた。
――その時だった。
――ヒュ
「……ッ?!」
いきなり目の前に現れた二人の男の人。肩にはそれぞれなにかを乗せていて……
「……グリーンとイエロー」
「「は?」」
あ、いけねっ。
肩に乗っているのが緑のウサギと黄色のイヌだと分かった瞬間、つい口がすべっていた。
空くんが作ったやつとは限らないのに。
「なんのことです?」
「いや、こっちの話」
「この子変なのー」
ウサギを乗せている方がなんか特徴的な笑い方してる。
一方、イヌを乗せている方は冷めた顔……いや、あきれた顔をしてこっちを見ていた。
「つーかさ、あんた達誰?」
とりあえず、疑問に思っていたことを投げかける。
「……俺は山田輝(ヒカル)。んでこっちは……」
「笠間葉一ですっ」
「……ん?笠間?」
「ん?そうだよ?」
「…………。お前かーッ!!」
「えぇえ?!なになになに?!」
.
最初のコメントを投稿しよう!