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「結構珍しい能力を持ってますからね、彼は」
「輝だって珍しい能力持ってんじゃーん」
「……俺のは……持ってたっていいことないよ」
「そんなことないって!」
輝くんの顔が俯き、葉一くんがそれを見て慰めるように肩を組む。
「…………あのさぁ、二人の世界のとこ、ほんと悪いんだけど……私もう帰っていいすか?」
結構時間経っちゃてるからなぁ、早く帰んないと晩御飯が……食われる。
「え、まじ?帰んの?」
「当たり前じゃん。私学園の外に住んでるんだよ?時間もかかるんだからね?」
「……成瀬さんに呼ばれてここに来たんじゃないんですか?」
「そうだよ。……って何で知ってんの?」
私がそう返すと二人は顔を見合わせ、輝くんはため息をついた。
……あの人何回ため息つくんだろ。
「でも空くんが用事あったっていうより、夕陽くんが私の能力に用事あったっていうほうが当たってたけどね」
「成ちゃんと話してないの?」
「…………何の?」
今度は葉一くんがため息をつく。
お前ら若干失礼な奴らだな。
。
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