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諸君、鼻毛である。
急に言われても何のことか分からないだろうから、まずはどうか想像してみて欲しい。学校のアイドル(ただしNO.2)を手練手管、あの手この手を尽くしてとうとう攻略せしめた僕の感激を。順序良く相手の喜びそうな選択肢を選び続ければ簡単にオトすことが出来る二次元少女とは、一線を画す三次元の美少女が自分の彼女になった歓喜を。
まあでもぶっちゃけた話すると二次元の方が可愛(略
……こほん。
とにかく、僕は学校のアイドルこと美代ちゃんをまいすうぃーとはーとにすることに成功したのだ。その聞くも涙、語るも涙の武勇伝、むしろ美勇伝を語ることは、まことに残念ながら次の機会に譲ることにしよう。今僕が語るべきは、艱難辛苦を乗り越えた先に待っていた処女集団というイスラム教的ご褒美に匹敵することなのだから。
つい先程のこと。
クラスメイトの染色体XYの刺すような視線が少々堪えないでもなかったが、所詮は負け犬の遠吠え。飢餓状態にある彼らの前で、僕は颯爽と極上のお肉を頬張り、クラスからすたこら退散したのだった。もちろん極上のお肉というのは比喩表現であって、本当はその癒し系のほんわかふわりん表情がたまらないと名高い美代ちゃん(16歳。美代はまだー、じゅーろくだーからー)のことではあるが、聡明な諸子には敢えて説明することも愚かというものだろう。
行き先は、マイハウス。
し・か・も☆
両親はなんと旅行中!←超重要。テストに出るからちゃんとマーカー引いとけよー。
え、もうヤるしかなくね? だって僕思春期真っ盛りの野獣的男子だよ? というか的なんてオブラートも必要ない野獣だよ? 誰もいない家に彼女を連れてきて、(自主規制)以外の一体何をするって言うんだいまったく。文学談義とか言った奴は精子からやり直せ。
……閑話休題。
とにかく、僕は美代ちゃんを家に連れてきて、今二人で一緒にソファーに座って『世界の中心の恋空』を観ている訳である。画面の中では美男美女がちゅっちゅちゅっちゅっと、お前らはエサを前にした鳥類なのかこの野郎とついツッコミたくなるほど啄みあっていた。
この時点で僕のノミの心臓、いやむしろ細胞のミトコンドリア(←意味不)はもうばっくんばっくんパックンチョ、どっきんどっきん独禁法としきりに血液を送り出していた。
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