のーずへあー

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 そうさ、この母なる大地、地球だって当たって砕けてを繰り返してこんなに大きくなったんだ。その苦難を思えば、たかが悪口を言われるくらいなんだっていうんだ。そんな程度のことは丸めてゴミ箱へポイしちゃえば良いんだよね。  いざ、尋常に参る! 「美代ちゃん!」 「気安く肩触ってんじゃねぇこの(じしゅーくりーむ規制)のカスみたいな顔してる(じしゅうのサザエさんはチョキです規制)が!」 「ごまみそっ!?」  手が出ちゃったんですけどこの娘! ちょいちょい、口の悪さよりも手癖の悪さを何とかした方が良いんじゃないかと愚考する次第。鼻血が出てないか軽く心配だけど、まあ普段から鼻の筋トレしてるから大丈夫さ! 「ご、ごめんなさい。私小さい時から(以下略」 「うん、うん大丈夫だよ。僕の鼻はスティーブン・セガールの胸筋くらい堅いからね。弾丸くらい跳ね返すし、百人乗っても大丈夫さ!」  ごめんなさい。  盛りました。  超盛りました。  流石にセガールには勝てません。どこぞの倉庫じゃあるまいし、百人も乗ったら鼻の前に頭が潰れてなにかがこぼれ出ちゃいます。  これからは僕のことを盛り男、いやむしろ森生と呼んでください。森に生きる野生児……今流行りの草食系男子だか実質絶食系男子だか知りませんが、そんなのよりきっと7000倍は魅力的に聞こえます。良いね、森生。早くも今年の流行語大賞候補だよ。  っと、そんなことより。 「ごめんなさい、大丈夫です。心の準備は出来ました。もう罵りませんし、殴りません。約束します」  しかし凄い約束だなコレ。  キスする前に彼氏に対して罵らないし殴らないって……一体僕はどこの霊長類を相手にしてんだと思ったら学校のアイドルでしたそうでした。というか美代ちゃん、僕が告白した時は緊張しなかったのかな……そう思うとなんだかショック。 「じゃ、じゃあいくよ?」 「は、はい……」  ソファーに正座で座り込み、手のひらをグーにして震えながら目を瞑る姿は、ああ、やっぱりこの娘は口が悪くても手が出ても学校のアイドルだなぁ、と再認識してしまうほど可愛くて。  ゴクリと生唾を呑み込んだ僕は、震える彼女の顎に手を添えて、そっと顔を近づけた。  あ、鼻毛。  僕は死んだ。
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