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―…家賃は要りませんよ、治療ですから。…―
俺は白い部屋に住んでいる。白い壁、ドア、家具、…全てが白い。それ以外に可笑しなところはベッドくらいだ、バスルームにある…何て言うんだっけ?
…とにかくだ。外国で見るような白い風呂に、ふわふわの布が敷かれ、ベッドの代わりにされてあった。
…コイツもまさかこう使われるとは思わなかっただろう…、可哀想に。
「…バスタブ」
「え?何を急に…、ああ!バスタブだ!」
ここの住民には色んな部屋に住む人が居る、寝泊まり以外は共同スペースなどがあり、知り合うのは強制でそれから深くなる間柄には人それぞれ。又は、極たまにある話では住む前からの知り合いが居る時がある。それが先程のバスタブ発言した黒い部屋に住む、寅君だ。
「あ、…ねえ寅君」
「俺を名前で呼んだから死刑な」
「うん、それより聞きたいんだけど」
「死刑決行していい?」
今、共同スペースのパソコン部屋にて、二台しかないために順番待ちをしている。でも寅君はひたすらアニメ鑑賞で貸してくれないし、もう一台は話にくい桃色の住人が使っている。なので暇潰しに邪魔をしている、なんて口が裂けても寅君には言えない。
「寅君ってさ、結局何でココに来たの?」
「汚物に知る権利は無い、大人しくゴミ収集車に回収されて来い」
「そんな冷たいこと言うなよー、お兄ちゃん傷付いちゃうんだぞー」
「キモイから眼鏡割っていい?」
「すみませんでした、それだけは止めてください」
話がそれた?…ああ極まれにある話か、彼は些鬼寅之助(サキ トラノスケ)、通称寅君。そして俺は些鬼龍之介(リュウノスケ)、これでわかるか?
「そうそう、俺はねー」
「興味ねェ」
「ですよねー」
ココは森に囲まれたcolor roomのある家のお話、そこの住人はあらゆる理由を持ってやって来た。
頼りにする先生達に、言われるがままメニューをこなす。
それが我々colorの治療法。
わかった?
白の住人より
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