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「…変な物が、見えるんです」
「……はあ、」
それは現実か、ただの妄想か。いや、夢か?とにかく、俺の“病気”と言う物は、現在進行形で可笑しな奴等が見えると言うことだった。
「具体的にどういう物かな、幽霊?」
「“アレ”の正体が幽霊なら、俺は意地でも悔いの無き人生を終え、確実に成仏するよう努力します」
「…、で、どういう奴等なの?」
返答に困る問いだった。―…赤い、黒い、目が、あって…指が。……思い出したくない、今は居ないんだ、来てない時に無理に思い出さなくていいんだ、だろ?
「…些鬼君、」
「…ぁっ?」
気がつくと口に袋が当てられていた、胸が苦しくて瞳が潤っていて、…荒い呼吸が落ち着いていく。ああ、過呼吸になっていたのか。そうぼんやりとした後、部屋に戻ると告げて診察室を後にした。
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