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「よし少年、友人になろう。」
そして唐突な発言。藍坂さん……ついていけない僕を、意図的に置いて行こうとしてますか?
「急ですね。」
また正直に言うと、藍坂さんはけらけらと笑った。
「読者に‘楽したな作者’と誤解されそうだが断じて違うぞ?」
読者?作者?とはてなマークを浮かべる僕に、こちらの話だ気にするな、とだけ言って、藍坂さんはまた笑う。
そして、私はね少年、と前置きしてから、
「気に入った人間とはさっさと友人になるのがモットーなんだ。君の場合は、落とし物をわざわざ届けに来る、という点で、とても気に入った。」
と、そう言った。
「他にも有るけれど、まあ大まかに言えば君の礼儀正しさかな。」
「はぁ……。」
僕はといえば、このひと、意外と自己チューなひとかも、という失礼な感想を抱きつつ、曖昧な相槌をうつ。
けど。
「君さえ良ければ友人になろう、少年。」
そう言って笑った藍坂さんからは、真剣な雰囲気が伝わってきた。
そのせいかはわからないけれど、僕はつい、はいと頷いてしまったのだった。
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あとがき
藍坂さんが爆笑するところを書きたかった話。←おい
友人になりました、じわじわ進みます。
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