03.再開

3/3
前へ
/10ページ
次へ
「よし少年、友人になろう。」  そして唐突な発言。藍坂さん……ついていけない僕を、意図的に置いて行こうとしてますか? 「急ですね。」  また正直に言うと、藍坂さんはけらけらと笑った。 「読者に‘楽したな作者’と誤解されそうだが断じて違うぞ?」  読者?作者?とはてなマークを浮かべる僕に、こちらの話だ気にするな、とだけ言って、藍坂さんはまた笑う。  そして、私はね少年、と前置きしてから、 「気に入った人間とはさっさと友人になるのがモットーなんだ。君の場合は、落とし物をわざわざ届けに来る、という点で、とても気に入った。」 と、そう言った。 「他にも有るけれど、まあ大まかに言えば君の礼儀正しさかな。」 「はぁ……。」  僕はといえば、このひと、意外と自己チューなひとかも、という失礼な感想を抱きつつ、曖昧な相槌をうつ。  けど。 「君さえ良ければ友人になろう、少年。」  そう言って笑った藍坂さんからは、真剣な雰囲気が伝わってきた。  そのせいかはわからないけれど、僕はつい、はいと頷いてしまったのだった。 _ あとがき 藍坂さんが爆笑するところを書きたかった話。←おい 友人になりました、じわじわ進みます。 .
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加