01.初対面

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「はっ?」  とても自然な動作で頭を撫でられて、素っ頓狂な声を上げる。  そして、子供扱いだと気付き、やめてほしくて、恩人ではあるけどつい、上目遣いに睨んだ。 「あー……、もう落とすなよ?少年。」  睨んだのに、彼女は怯む様子もなく、ほんの少し眉を上げて、また笑った。 「……っ、」  その笑顔が、少し今までのと違って、あまりに綺麗で、かっこよくて、一瞬息を飲んだ。  手は、ぽんぽん、と数回、軽くはたくように頭を撫で、するりと離れる。 「こっ、子供扱い、しないでください……。」  なんだか悔しくて、少し熱い頬を無視してそう言った。 「ん?あぁ、ごめん?」  あまり心の篭っていない謝罪が帰ってきた、……むぅ。 「さて……、待ち合わせに遅れちゃうし、お喋りはこれくらいにしようか。」  不意に彼女がそう言った。 「あ……、すいません。」  なんとなく悪い気がして謝ると、また彼女は一瞬きょとんとして、やっぱりまた笑って、じゃーね、って言って、去って行った。  さりげない出会い、呆気ない別れ。  ぼんやりと撫でられた頭に手をやって、温もりを思い起こす。  はたと我に返って、何をしているんだと恥ずかしくなって俯き、コートのフードを深く被り直した。 (……あれ?) _
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