第二話

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夕日に照らされた、薄暗い部屋で起きた出来事。 今でも私の肌は、あの出来事をはっきりと覚えている。 広樹が私に、キス……するなんて……。 いつも馬鹿でナルシストで、やんちゃな広樹とはかけ離れた表情。 腕を掴まれた時の力強さに、初めて広樹を男だと確信した。 あれから必要以上の事は話さず春休みは早々と終わってしまった。 「じゃあ時間だから……行ってらっしゃい!」 「え、ママも入学式一緒に来るんじゃ……。」 「後から行くから。」 「明日香ちゃん、馬鹿な広樹を宜しくね。 広樹、真面目に行くのよ!!」 二人とも笑顔過ぎて、断るにも断れない。 「分かってるよ母さん。 明日香行こう。」 ニコッと笑った広樹は、私の肩を軽く叩いた。 私も渋々、広樹から少し離れて歩き出す。
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