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「カルピスでいいよな?」
「うん。」
部屋に着くなり、飲み物を用意した。
「春休み終わったら、もう中学生になるね。」
私がこんな話を切り出すと、広樹は涼しい顔で応えた。
「そうだな。」
いつになく大人しい私達から、会話が消えていった。
カルピスをコップに注ぐ音だけが、部屋に響く。
注ぎ終わると、下の階の笑い声が、微かに聞こえるだけだった。
「……明日香。」
「はいっ。」
優しい声に驚いた私は、変な返事を返してしまった。
優しく笑う広樹は、大人っぽくて……。
ふいに、胸の鼓動が高まった。
「あの様子だと、パーティの用意時間掛かるようだから……。
何かしてないか?」
「え……っと……。
あ、卒業アルバム見ようよ!」
広樹はニカッと笑うと、重たいアルバムをひょいと取り出した。
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