第一話

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「ねぇ、見て! 結城くん、変な顔してるよ。」 「元が変なんだよ。」 何か……不機嫌? ついさっきまで、笑っていたのに……。 気のせいだと思い、少し雰囲気を明るくした。 「ほらこの時も! そう言えば運動会の団長でー……。」 「そんなに雅人が好きな訳?」 予想外の質問に、飲んでいたカルピスを吐き出しそうになる。 「……私が、結城くんを? 何で、そんな事ないよ?」 広樹はアルバムをパタンと閉じた。 今開いたばかりなのに、もう見るの終わり……? 「あんな奴より、俺の方がいいじゃん。」 「……あ、大丈夫。広樹、ちゃんと女子達にモテてるから。」 「は?」 少し目を細め、苛立ちの声を挙げた。 「お世辞じゃないよ! 格好いいもん、広樹。」 本当、広樹は幼稚園からモテてる。 私は目立ちたくないけど、当たり前のように一緒にいた。
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