嗚呼嗚呼

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春【前?】 と、言うことは前にも何か言っていたのだろうか…? 隊士「そ、それはっ……」 斉藤「もう散々言っただろう、はやくどこかへ消えろ。」 斉藤にそう言われぐっと何かを我慢し、そのままどこかへ消えてしまった。 春「…………。」 斉藤「…………。」  き ま ず っ !? 隊士が消えてからなんでかずっと隣にいる斉藤。 春がずっと下を向いているせいかまだ顔は見ていない。 春【こういう時はお礼したほうのがいいのかな…?】 いや、でもなぁこいつにお礼……………んー……。 二人はそれと言っていいほど仲がよくない。 てか犬猿の仲である。 春【んー……。】 お礼するか、しないかっ!! 自分のなかで葛藤を繰り返す春。 そんなことしてないでちゃっちゃとお礼すればいいのにね。 春「…っさ………もがっ!!」 よし、頑張ってお礼しよう!!と張り切って顔を上げた瞬間顔全体にべしんっと言う音が響いた。 てか顔に…何か……何かっ!? 斉藤「……お前は泣くな。」 春「はっ?」 そう言い残しすたすたと春に背を向け行ってしまう。 春「………手拭い?」 先程顔にあてられた疑問は斉藤の手拭いであった。 ずっと下を向いていた春が泣いていたと思ったのか……。 春「お前は泣くな…って………ははっ…。」 別に泣いてなんかなかったんだけどね…。 今度からちゃんとお礼を言おうかな、と心に決めた春であった。  
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