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「茶谷兎です。兎と書いてピョンと読みます」
「茶谷さんね。へぇーこれでピョンって読むんだ」
「ウソです。そのままウサギって読みますが、あだ名がずーっとピョンだったもので……」
「………」
先生は一瞬固まった後、「よろしくね」と優しく笑顔を向けた。
クラスメイトはピョンと名乗る女子生徒に夢中だった。
兎は一番前の席に座っていたため、後ろを振り返って挨拶とお辞儀をした。
彼女はショートカットで端正な顔立ちではないものの愛嬌のある顔と仕草を兼ね備えている。
苺は彼女の明るい健気な姿に見とれていた。
変わり者でありながらも今まで出逢った人と違う魅力をその時に感じていた。
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