16人が本棚に入れています
本棚に追加
さすがに兎もしつこいと自分で感じたのか、席を立とうとする。
苺は兎の制服を掴み自然に引き止めていた。
「んっ?」
兎は間抜けな声を出す。
「なんで……わたしを選んだん?」
苺はそれだけが気がかりだった。委員長の仕事よりも自分が選ばれたことに違和感を抱いていた。
「理由かぁー。マスク付けててつまらん顔してたからかな?」
何も考えずに兎はボロボロと言葉が口からこぼれる。苺にはそれが少しおかしかった。
「……ふふっ。それだけ?」
「あとはー綺麗な子やなって思って。こんな子と仲良くなりたいって思った」
綺麗という言葉が頭に引っかかる。
「綺麗……?」
「マスクしてるからよくわからへんけど、目鼻立ち綺麗。マスクは花粉症?」
兎の指摘に苺は黙って頷いていた。
最初のコメントを投稿しよう!