Chapter-00 《序》

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「もしもーし、朔夜さーん? 神崎 朔夜さーん? 起きてくださーい」 目を覚ましたとき、神崎 朔夜(サクヤ)は視界一面が純白の世界に横たわっていた。 白、白、白。 どれだけ視線を巡らせても、映るのは白一色のみ。 それ以外は何も映らな 「ちょっと!? 私の存在を消さないで下さいっ!」 ……いこともなく、目の前には一人の少女が立っていた。 歳は12、3歳といったところだろうか。 長く艶やかな金髪から覗く顔は、幼いながらもかなり整っていることが伺える。 そしてその少女には、目を引き付けて止まないモノがあった。 それは───“翼”。 少女の背からは、明らかに少女自身の身長を超えているであろう巨大な純白の“翼”が3対、計6本も生えていたのだ。 「天使、か?」 「……冷静ですね。大抵の方はかなり驚かれるのですが」 落ち着いて述べた朔夜に、少し意外だ、といったような表情を浮かべる少女。 朔夜はそれに苦笑した。 「まぁ、状況が状況だしな。自分がどうなったかくらい、言われなくても分かるさ」 ふぅ、と一息吐き、重たい口を開く。 「俺は…… 死んだんだろ?」
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