プロローグ

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と、ボーイッシュで格好いいと女性ファンの多い前田静香が、よく通るアルトの声ではっきりと言い、 「凪さんなら大丈夫です。自信を持って下さい」 ヒョロリとした高い身長の持ち主の藤堂馨が、優しそうな笑みを浮かばせながら彼女に言い聞かせるように言う。 そして、彼の犬猿の中である土方恭介が、止めに人形のような綺麗でかつ無機質な顔立ちのまま、 「そもそも、ここに新二年は緒方しかいないのだから拒否権は存在しない。諦めろ」 と、銀縁メガネの奥で冷たい光を帯びた瞳を凪に向けながら、抑揚のない口調でそう言った。
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