現実とゲーム

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午後の授業も終わり、放課後になる。 俺の通っている学校はちょっとした山にある。 行きは自転車を押して上らないといけないが、帰りは自転車に乗って、後は重力に任せて坂を下るだけだ。頑張れ地球。 そしてその坂を下りきった所でまた例の話になった。 「なぁ、岩見神社あるじゃんか?」 「岩見神社? いや、初耳だな」 どこかで聞いたような気がしないでも無いが。 「ササカマ神社だよ、聞いたことはあるだろ?」 ササカマ神社……ササカマ神社……んー。わかんね。 「ササカマ神社ってなんだっけ?」 「は? 知らねぇの?」 「知らないな、多分」 「いいか? ササカマ神社ってのはだなぁ……」 なんか語り始めた。 要約すると、その神社にササカマを持ってけば願いが叶うらしい。 宮城に行けよこの神様。 「明日行かね?」 「嫌だ。めんどい。たるい。ウザイ。死ね」 「後半からイジメの臭いがする!」 「ジョーダンだよジョーダン」「……」 「ジョーダンだよジョーダン」「……」 「ジョーダンだよジョーダン、マイケルジョーダン」 「……わかった、今から良い医者を教えてやるからメモれよ?」 「何故に!?」 なんでこうなったんだろう? 「んじゃそろそろ」 「おう」 家の近くまで来たので、片手を挙げて別れる。 (ゲーム、か) 俺は家に帰る前にコンビニでササカマを買った。
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