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「あの・・・、宿題あるんですけど・・・。」 「宿題?そんなの後でやればいいんだよ。」 勉強ができなくても生きて行ける。 おじさんの口癖だ。 朧だったら、絶対におじさんのことを崇拝するだろう。 「よし、じゃあ聞けよ?」 「はい・・・。」 仕方ない。 とは思いつつも、どこかで楽しみにしている僕がいた。 「あれはな、満月の夜に学校の警備員が夜中の見回りをしていた時だった。中庭に小さな池があってな、そこを通ろうとした時にキラッと光るなにかが見えたんだ。警備員はそれに懐中電灯の光を当てた。するとそこにいたのは、大きなワニだったんだ。」 「・・・え?」 本来いないはずの池にワニ 朧の言っていたワニも池にいた。
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