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10年前、ある夏の日。
「暑い・・・。」
照り付ける日差しのせいで、肌が小麦色に焼ける。
僕はこの季節が大嫌いだ。
「ぎーんー!」
「ん。」
目の前で手を振る親友は夏になると、テンションが妙に上がる変人だ。
その親友、天地朧は僕の目の前まで猛ダッシュで走ってきた。
「なんだよ銀、シケた面して。」
「黙れ変人。」
うっとおしく喋ってくる朧を適当に相手しながら、僕たちは学校までこの炎天下の中を歩いた。
何気ないこの日常。
暇すぎるこの日常。
平和なこの日常が、今日を境に終わりを告げるなんて思いもしなかった。
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