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「ただいまー・・・。」 「おう、銀か。」 家に帰ると、なぜか叔父さんがいた。 叔父さんは親戚の中でも一番優しくて、オカルト好きな人だ。 「なんで叔父さんが家にいるの?」 「いちゃ悪いのかよー?」 口を尖らせる叔父さん。 大きな子供。 父さんが叔父さんにつけたあだ名だ。 「いや、悪くないですけど・・・。」 とりあえず鞄を床に置いて、叔父さんの隣に座る。 扇風機が僕の後ろで、首を振りながら回っている。 とても涼しい。 「今日は暑いから、怪談話でもしてやろうと思ってな。」 「えっ・・・。」 落語家の叔父さんは話のプロだ。 僕はいつもその餌食にされている。
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