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忙しい1月が終わろうとしていた。
3日間降り続けた雪もやみ、今日はお日様が燦々と輝いている。
いつものように平和な1日が始まろうとしている。
ただ1つ、のび太の病室を除いて・・・・・・。
「のびちゃん♪早く学校行かないと遅刻するわよ。それにしてもかわいい寝顔だ事♪」
ママはショックのせいでおかしくなってしまったのだろうか?
毎日毎日、朝から晩まで、のび太に話しかけている。
どれほど寝れない日が続いたのだろう、今ではママはガリガリにやせ細ってしまった。
のび太の寝顔はまるで天使のようだ・・・・・。
パパも会社を辞め、毎日のび太のそばにいる。
ドラえもんはあれ以来、誰とも口を聞かなくなってしまった。
ちょうど小学校が終わる時間・・・・
「おばさ~ん。のび太は?」
ジァイアンが筆頭に今日もクラスのみんながお見舞いにきた。
「あら剛くん。今日はのびちゃんまだ起きないのよぉ、しょうがない子でしょ?のびちゃ~ん、クラスのみんなが来たわよ。ほらっ起きなさい!」
「おばさん・・・起こさなくていいよ。まだ寝かせてあげてよ・・・まだ眠いんだよ、きっと・・・・」
「そお?ごめんなさいねぇ。せっかく遊びに来てくれたのにねぇ。」
「ドラえもんっ元気だせよっ」
「のび太は死んだ訳じぁないさ。」
「そうよ、私達の友達ののび太さんはここにいるじぁない。」
「・・・・・・・・・・・・・・みん・・・な・・・・・・・・・・。」
ドラえもんが口を開いた。
堰を切ったように、いままで我慢してきた涙が一気にドラえもんの目からあふれる。
「みんな・・・・僕、のび太くんが大好きだから、病院で寝たきりののび太くんをどこかに連れていってあげたいんだ・・・・・」
「パパ・・・・ママ・・・・・・・・いいでしょ?僕はのび太くんの為に未来から来たんだ・・・・・。」
「ドラえもん・・・・。」
「ドラちゃん・・・・。」
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