未来へ

2/2
前へ
/16ページ
次へ
それから1週間。 のび太の意識はいっこうに戻らない。 「先生。手術の成功率はどのくらいなのですか?」 「・・・・・いままでの成功例から言いますと、20パーセント以下です。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「でも、このまま何もしなければのびちゃんは・・・・・・・。」 手術をしなければ、のび太は生命すら危険な状態であった。 しかし、手術の成功率は絶望的に低い上、手術にかかる多額の費用も野比家にはあるはずもなかった。 「20パーセントでも、助ける確率があるなら、手術して、のび太くんを助けましょうよ。」 できすぎがママに言った。 「僕、クラスのみんなにカンパを呼びかけます。」 「よし、できすぎ!そうしようぜ。」 ママの目にまた涙がこみ上げた。 しかし、いままでの涙とは違う別の涙だ。 みんなにこんなに愛されているのび太。。。 ママはのび太を産んで本当に良かった。そう思った。 そう思ったら、涙があふれた。 数日後。 もう決断しなくてはのび太の命が危ない。 できすぎや、ジァイアン達が集めてくれたカンパも微々たるものだった。 成功率は低いが手術をしなくてはのび太は助からない。 しかし、そんなお金はどこにもない。 「だめか。。。。」 「パパ!そんな事言わないで!うううぅぅぅぅぅ」 ママとパパは我が子の為には命さえ、惜しくないと思った。 しかし、何もしてあげられない自分達に無性に腹が立った。 「ママ、パパ、お金は僕が何とかするよ。僕はのび太くんの為に未来からここに来たんだ。絶対にのび太くんを助けてみせる。」 「ドラちゃん。。。。。。」 ドラえもんはそう言い残すと、家に帰り、引き出しの中のタイムマシンで未来へ戻った。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

293人が本棚に入れています
本棚に追加