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ドラえもんは次に、宝石博物館へ向かった。
この時代、ほとんどの宝石は人工的に作られて、天然の宝石は、莫大な金を積まなければ、手に入れる事は出来なかった。
「いらっしゃいませ」
人間女性型ロボットが迎える。
「ご見学ですか?」
「いや。」
「天然のダイヤで一番大きいのをください。」
「少々お待ちください。」
女性ロボットはそう言うと、奥のスタッフルームへ入っていった。
数日後、10人のガードマンを引き連れ、
館長らしき人が出てきた。
「あなたですか?天然の一番大きいダイヤをほしいというお客様は。」
「そうです。売ってください。」
「本当ですか?とてもあなたのような方が買える代物ではありませんよ。」
館長は明らかにドラえもんの事をバカにしていた。
「お金ならあります。みて下さい。」
そう言うと、ドラえもんはマネーカードのバランスボタンを押し、残高を館長に見せつけた。
「おおおおおお」
「す、すいませんでした。どこぞの大富豪様にお仕えしているロボットだとは。。。」
「今すぐにそのダイヤをお見せいたしましょう。」
全く、現金なものだ。商人あがりの人はいつもこうである。
館長は奥の金庫から大きな箱を大事そうにかかえ、再びドラえもんの前に現われた。ゆっくりとその箱を館長が開ける。。。
「どお~ですか。この輝き。すばらしいでしぉ。私のコレクションの中では最高です。」
ばかでかいダイヤだ。その大きさはドラえもんのこぶし位ある。
「このお金全部払うから、そのダイヤをください。」
「ぜ、全額いただけるのですか?」
「そうだ。早くして。」
「はい。わかりました。」
ドラえもんはダイヤを受け取ると、店を飛び出し、
のび太くんがいる時代へとタイムマシンで再び戻った。
現代で、ドラえもんはダイヤを売り、のび太の手術費を作った。
その宝石コレクターの孫が、21世紀で先ほどドラえもんが、そのダイヤを購入した宝石博物館を開く事になるとは、ドラえもんは知るよしもなかった。
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