桶狭間

3/12
前へ
/24ページ
次へ
「麻呂……じゃなく、殿! 敵襲です!」 「んお? なんでおじゃるか?」 天蓋付きのふかふかベッドで眠る今川義元は、寝ぼけ眼をこすって、たぷたぷの上半身を起こした。 敵襲? ということは、信長が真っ向勝負を挑んできたということか。 命知らずな。 義元は失笑する。 「逃げずに立ち向かってきたことは褒めてやるでおじゃるが……無謀でおじゃるな。さっさと押しつぶしてしまえ」 「はっ」 義元は再び横になった。 今宵は良い夢を見られそうだった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加