始まりは・・・

10/21

112人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
もう一度叫ぼうと息を吸うと・・・ 「きゃっ!」 視界が大きく揺れた。 疲れすぎたせいか足がちゃんと上がってなかったらしく、小さな段差に思いっきり引っ掛かったみたいだ。 すぐに立ち上がろうとするけれど、何かに足首を捕まれそれを阻まれる。 《つーかまーえた》 足首を掴んでいたのは、舌。 上半身は女性なのに下半身が蛇の、見るからにタチの悪い妖怪だ。それは異常に長い舌を足首に巻き付かせながら、ニタリと笑った。 ひっ! もう、だめ・・・ 大量の化け物が覆いかぶさる様に近づいてくる。 その様子は私には、ひどくスローに感じた。 先程までの長距離走のせいか、現在の命の危機のせいか、心臓の打ち付ける音がはっきり聞こえる。 私の人生、たった16年で幕を閉じるの?
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加