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もう一度叫ぼうと息を吸うと・・・
「きゃっ!」
視界が大きく揺れた。
疲れすぎたせいか足がちゃんと上がってなかったらしく、小さな段差に思いっきり引っ掛かったみたいだ。
すぐに立ち上がろうとするけれど、何かに足首を捕まれそれを阻まれる。
《つーかまーえた》
足首を掴んでいたのは、舌。
上半身は女性なのに下半身が蛇の、見るからにタチの悪い妖怪だ。それは異常に長い舌を足首に巻き付かせながら、ニタリと笑った。
ひっ!
もう、だめ・・・
大量の化け物が覆いかぶさる様に近づいてくる。
その様子は私には、ひどくスローに感じた。
先程までの長距離走のせいか、現在の命の危機のせいか、心臓の打ち付ける音がはっきり聞こえる。
私の人生、たった16年で幕を閉じるの?
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