懐が深いのとバカは・・・あ、2回目だこれ

7/18

112人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
「もう本当に黙ってくれないかな。耳障り以外の何物でもないんだけど。」 冷静になろうと口調は落ち着けたものの、眉間いっぱいのしわと険のある目つきは隠さなかった。 「う、・・・その視線だけで心臓が。」 微妙に荒くなる呼吸と悦る口元で、私のイライラは限界点を突破した。 背後のマオに頭突きをして、振り向き様にローキック。 マオはうずくまりながらも、買い物袋だけは落とさなかった。 「何が嬉しいんだ!!この変態が!!もう私の半径5キロ以内に近づくな!!!」 「キロ!?」 「キロだ!!今すぐ離れろ!」 「艶子の体温を常に感じていないと正常な呼吸が保てな「すでに保ててないから大丈夫だよ。」 イライラを通り越して殺意が湧きました。 結局マオとは5キロとまではいかなくとも、今までにないくらい離れて歩いた。 背中の開放感とイライラの原因がいない爽快感に胸がすく。 けれど 九尾がマオの側を離れ、私について来ているのだけが気になった。
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

112人が本棚に入れています
本棚に追加