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「もう本当に黙ってくれないかな。耳障り以外の何物でもないんだけど。」
冷静になろうと口調は落ち着けたものの、眉間いっぱいのしわと険のある目つきは隠さなかった。
「う、・・・その視線だけで心臓が。」
微妙に荒くなる呼吸と悦る口元で、私のイライラは限界点を突破した。
背後のマオに頭突きをして、振り向き様にローキック。
マオはうずくまりながらも、買い物袋だけは落とさなかった。
「何が嬉しいんだ!!この変態が!!もう私の半径5キロ以内に近づくな!!!」
「キロ!?」
「キロだ!!今すぐ離れろ!」
「艶子の体温を常に感じていないと正常な呼吸が保てな「すでに保ててないから大丈夫だよ。」
イライラを通り越して殺意が湧きました。
結局マオとは5キロとまではいかなくとも、今までにないくらい離れて歩いた。
背中の開放感とイライラの原因がいない爽快感に胸がすく。
けれど
九尾がマオの側を離れ、私について来ているのだけが気になった。
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