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牛乳は中身が全部漏れ出したわけじゃないから、そのまま帰ることにした。
シリアスな場面の後、牛乳とそれ以外のものを袋により分ける作業はけっこうまぬけだ。
その作業をしながら、ふとマオを見た。
それに気付いたマオの口元が緩む。
何故マオはわざわざ捨てた痛覚を甦らせる相手を好きになったんだろう。
言ってしまえば、マオにとって脅威をもたらす相手は艶子だけだ。憎みこそすれ、好意を抱くものだろうか?
恋は落とし穴とでもいうのだろうか。笑わせる。
妖術の残り香か、微妙にささくれだった気持ちを抱えつつ家路についた。
このやるせない気持ちの処理の仕方を誰か教えてほしい。
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