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「艶子、オセロしよう。」
昨日と同じ体勢で試すように、こちらにオセロ盤を差し出すマオ。
「そうだね。昨日結局何もしなかったもんね。やろっか。」
自分から誘ったくせに私が笑顔で誘いにのると、マオは大袈裟に驚いた。
「どうした艶子!!今日は優しすぎるぞ!」
私としてはオセロを一緒にするくらいで優しすぎるの評価はちょっと癪だけど、あくまで笑顔で対応する。
「優しくしたら嫌なの?」
「嫌な訳がない!・・・ただ、幸せすぎて、俺の心がバランスをとろうとする!」
バランス?
「実は俺はもうすぐ死ぬ身で、神が憐れみから素敵な夢をみせているんじゃないかなどと・・・。」
オセロ一つで、命の有無ってバランスとるには不幸の比重が重すぎるだろ。しかも夢なのか。
もはやめんどくさいよ。
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