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「マオは死なないし、夢じゃないよ。今まで冷たくしてごめんね。」
本当はオセロ一つで何言ってんの?と冷たい視線を送りたいところだけど、胸に刻んだ『優しく』という言葉を読み返し、努めて優しく振る舞う。
「何を言っているんだ!冷たい艶子は冷たい艶子で魅力に溢れている!謝る必要は微塵もない!」
・・・力説されても。
「ただ・・・優しい艶子だと我慢が・・・。」
そう言いながら、ゆっくり近付いてくるマオに無意識に後ずさる。
コンパスの違いであっさり間合いを詰めらて、腰に手を回わされ、長身のマオに目線を合わさせるかの様に、頬に手が添えられた。
本当は速攻で手を振り払い、頭突きをかましたいんだけど、胸に刻んだ優しくという言葉が、拒否る方法を模索してしまう。
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