112人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
しかし『一人』と言うと、なんだか違和感がある。
なぜなら、そいつはきっと『人』ではないから・・・
そいつは黒のパーカーに黒のデニム、黒く癖のある長い髪が顔の大部分を覆っていて、その全身のほとんどが黒だ。
黒の割合が多すぎて少し異様だけど、姿かたちは人と大差ない。
なのに、
大量にいた人外の者は次々と減っていき、
その原因のはずのそいつは息ひとつ乱れていない。
こちらにしてみれば理解が追い付かないほど高く跳び、早く動いているように感じるのに、そいつは当たり前だと言う風に平然としている。
その様子は
確実に『人』ではなく、
むしろ『獣』に近いことを如実に物語っていた。
最初のコメントを投稿しよう!