始まりは・・・

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しかし『一人』と言うと、なんだか違和感がある。 なぜなら、そいつはきっと『人』ではないから・・・ そいつは黒のパーカーに黒のデニム、黒く癖のある長い髪が顔の大部分を覆っていて、その全身のほとんどが黒だ。 黒の割合が多すぎて少し異様だけど、姿かたちは人と大差ない。 なのに、 大量にいた人外の者は次々と減っていき、 その原因のはずのそいつは息ひとつ乱れていない。 こちらにしてみれば理解が追い付かないほど高く跳び、早く動いているように感じるのに、そいつは当たり前だと言う風に平然としている。 その様子は 確実に『人』ではなく、 むしろ『獣』に近いことを如実に物語っていた。
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