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私がおばあちゃんの過去を知りたいもう一つの理由は、マオがどうしてそこまでおばあちゃんを好きになったか、どうしても知りたいからだ。
あそこまで好かれていることに、強い羨望を憶える。それに伴い軽い嫉妬も。
何も解き明かさないまま、マオがいなくなったら、私はきっとこの感情をずっと抱え、日々を過ごしそうだ。
それがとても嫌。軽い恐怖を覚えるほどに・・・。
けど勘違いしないでほしい。マオに好かれているのが羨ましいんじゃない。誰かにあそこまで好かれるのが羨ましいのだ。
もう一度言う。マオに好かれているのが羨ましいわけじゃない。
でも明はきっと私の説明に納得せず、きっと勘違いするから話したくない。
数学準備室に向かいながら、明の追求から逃れる言い訳を練りに練った。
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