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裏門は山に面していて、緑が鬱蒼と生い茂っている。
いつもより草木が陰を帯びているように感じて、不安をより一層煽った。
「・・・聞きたいこと、ですか?」
思わず手を握りしめた。
転んだ時の両手の擦り傷が、ビリビリと、自身の存在を主張してくる。
「構いませんわ。貴女がわたくしの質問にきちんと答えてくださるなら。」
意外なほどあっさりと九尾はこちらの要求を受け入れた。
私もすぐさま首を縦に振って了承の意を表す。
お安いご用だ。もう九尾に隠すことなんて何もない。
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