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「・・・そんなはずありませんわ。」
俯いたままで、消え入りそうな掠れた声だった。
「九尾?」
「艶子が人間と一緒になるはずありませんわ!彼女は人間を疎んでいましたもの!」
「いや、おばあちゃんも人間ですけど。」
「艶子は人間には過ぎる力を持っていました。もはや人よりわたくし達よりですわ。
・・・異質な存在に排他的である人間なんかに馴染めるわけありません。」
吐き捨てるように言った最後の言葉から、おばあちゃんの悲しい過去が垣間見えた気がした。
おばあちゃんが『人間』という大きな括りで他人を疎むほど、周りはおばあちゃんに優しくなかったのだろうか。
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