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「でも、やっぱり納得できないんだけど・・・。
おばあちゃんは、『私が呼ぶまで目の前に現れるな』ってマオに言ったんだよ?それでちゃんと呼び寄せたならともかく、私に任せて自分は最後まで放置だし。どう考えても体よく追い払ったとしか・・・。」
九尾は考え込むようにして眉間に皺を寄せ、口元に手を置いた。
「分かりません。・・・当時は試しているのだと思っていました。艶子は力に釣り合わず、心がとても弱かったですから。」
55年も試されちゃった?んな馬鹿な。
「・・・魔王様は艶子の弱さも愛されていた。
艶子は他人はいつか必ず自分から離れていくと思っていた節があります。魔王様は自分だけは違うことを証明したかったのだと思います。」
あ、久しぶりの感覚だ。
マオ・・・
不憫。
「結局、おばあちゃんにはそれを証明できずじまいか・・・。」
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