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マオは、決して離れないとか、ずっと側にいる、的な発言をよくする。
私にはストーカー宣言に聞こえたけれど、おばあちゃんには一番の殺し文句だったのか。
・・・おばあちゃんはどういう思いでマオに『呼ぶまで現れるな』発言をしたんだろう?
沈黙が場を占拠する。
葉の音が響いた。
「艶子は・・・」
眉間に皺を寄せ、口元に手を当てたまま、九尾は重々しく沈黙を破った。
「・・・艶子はもういないと貴女はおっしゃっいましたわよね。・・・それは、もうこの世にいないと、・・・死んだという意味かしら。」
苦しげに眉根がより狭められる。
そう言えば、確定的な言葉をまだ九尾にはしていない。
「そう言う意味だよ。・・・去年、肺炎で亡くなった。」
九尾につられて私の眉間にも力が入る。
鳩尾(みぞおち)にずっしりと重いものがのしかかった。
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