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「・・・え?」
すぐに返事ができない。
九尾からいろいろな話が聞けたとはいえ、まだ不可解な部分が多い。
やっぱりマオ本人から聞かなきゃ完全にすっきりは出来ないんだろう。
なら、答えは否だ。
けれど、それを言っていいものか悩む。
「返事を待つ時間が惜しいのでこちらの意見を言わせて頂きますわ。魔王様には本当のことを言わないで頂きたいの。」
「え?」
「魔王様はおそらく・・・艶子の死に堪えられない。
はっきり言って当時の艶子は最悪です。けれど、魔王様を支えているのはその最悪な艶子なのです。あの不器用で加減の知らない艶子なのです・・・。」
何度目かわからない九尾の苦痛に堪える表情だ。
おばあちゃんは九尾にとって恋敵であるはずだ。言ってる内容も酷い。・・・なのに、慈愛めいたものを感じるのは何故だろう。
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