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「艶子!大丈夫か!?何があった!?」
・・・・マ・・オ?
とたんに緊張が一気にとけて、膝から崩れ落ちた。
マオは慌てて支えにくる。
私は極度の緊張と緩和のせいで力が入らず、その腕の中にぐったりと体を預けた。
今さらながら手足の傷がズキズキと痛みだした。
「どうした!?大丈夫か!?しっかりしろ!」
マオの焦り方は尋常じゃない。寄り掛かった私を支える腕は割れ物を触るようだ。
今更ながら、どれほどおばあちゃんを大事に思っているか痛感した。
ばれたら殺すか・・・。
気が重い。
けれど、どこかで安心している自分もいる。
マオに真実を話さない大義名分が出来たのだ。
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